税収を上げる一つの手段として、給料を上げましょうというのがある。
給料が上がると、所得税、住民税、社会保険料も増加する。
おまけとして、子ども手当も支給しなくてもよくなる。
中小企業で大企業のような賃上げは難しい
稼げるパイの大きい大企業であれば可能な企業もあると思うが、
経営資源が限られている中小企業にはそれはかなり難しい。
では、中小企業は賃上げは求められていないのだろうか。
実感では、中小企業こそ賃上げが必要とは感じる。
大企業に比べて手取りが少ない中小企業において、
現状の物価高をしのげるか相当不安に思うものだろう。
かといって、給料をやみくもに上げても会社にお金は間違いなく減少するし、
短時間労働者であれば、時給だけ上げて扶養の範囲内を守ろうとすると、働く時間が短くなって雇用する側のシフトを考える悩みが増えたりする。
クライアントにこういうのもどうですか提案することに、実質賃金を上げること施策を考えてみる、ということをしている。具体的には、福利厚生費だったり、退職金制度の導入といったところだ。
企業でいえば、給与を上げると、各種税が上がって、支出が増える。
従業員でいえば、給与が上がっても、各種税で色々とられて、手取りは意外と増えていなかったりする。
であれば、会社の経費になるもので、従業員がよく利用するものを、会社で払ってあげれば、従業員は払うものが少なくなるので、実質的に賃金が上がったことになるのだ。
具体例
具体的に言えば、ジムの法人会員がある。
クライアントの例でいえば、従業員にヒアリングした結果、共通のジムに通っている人が多かったので、そのジムと法人契約を行うことで、福利厚生費として計上することにした。
ポイントとしては
①法人契約すること
②規定を作成すること
③会社の口座からジムにお金を払うこと
①は当然として、
②はどのような従業員がどのようなものを利用できるのかルールを決めて運用していくための規定を作ること、そしてそれを守ることである。
③は個人の利用料を立替は単なる給与扱いになってしまうので、会社の口座から払うことである。
もう一つは退職金制度導入である
中小企業は退職金制度がないところが多い。
そのため、従業員は将来の見通しが立てにくいので
手取りの中から将来のための積み立てをしていかなければならないが、
会社はその将来の積み立て部分を先取りして、退職金掛け金として共済機構に支払って経費とする。
従業員は、退職後にその掛け金部分の退職金を、共済機構から受け取る。
退職所得は、老後の生活や次の就職が決まるまでの糧とするため、税金はゼロであるか、かなり負担が少なくなる場合が多い。
そのほか、社食や社宅制度などもあるが、効果や公平性の観点からあまり導入されなかったりもあるのでひとまず省略する。
また、これらを検討した結果、導入を見送るクライアントももちろんいる。
それは、例えば、ジムを福利厚生にするにしても、利用率が低ければ効果は薄いし、
退職金制度は、離職率が高めの職場であれば手続きが煩雑になって面倒だという結論に至ることもある。
結局のところ、会社と従業員双方に効果が高いものを検証して導入の可否を決定することをお勧めする。
まとめ
今日は中小企業の賃上げ抑制施策について言及してみました。
最近やたらと報道で賃上げと耳にするので。
そりゃあ給料上げられたらいいとは思うけど、海外市場ほどには国内市場は値上げに寛容ではないので。
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