会計とは経済活動を行う上で発生する取引をどのように数値化、計数化するかという考え方である。
公認会計士である私はおそらく息を吸うのと同じくらいに会計的に今の出来事は何だったのだろう、数字に置き換えるとどうだろうと考えている。
例えば、妻の機嫌を「今は不機嫌そうだから10段階で2ぐらいだろう」とか
自分の今の眠さはMAXだろうとかそんなレベルである。
それぐらいなら普通かなと書きながら思えるが
これに会計人だと時系列が加わってくる
すなわち、いつそれが発生したか気になるのである。
いつ妻は不機嫌になったのだろうとか
いつから眠いのだろうとかそんなことである。
そうしてくると、何故という理由が必要になってくる。
何故、妻は不機嫌なのだろう。おそらく前日息子が体調を崩したから
夜中に起きて対応してくれたのかもしれない。
自分の眠さは今日、夜中の2時に起きてしまったからかもしれない。
そんなことである。
ここで思考を止めても良いのだけれど
会計には費用収益対応の原則というものがある
かけた分の労力、コストに見合った、便益、レベニューをなるべく速く計上したくなるのだ。
妻であれば、私は昨日は夜中も起きて息子の看病をしてくれてありがとう、という感謝の言葉から始まり、
朝ごはんの用意を思いつく限り主体的に取り組んで提供する。
睡眠であれば、早めに仮眠をとる。どうしても仮眠をとることが困難であれば、60分マッサージに行ってうつ伏せになる。
こうすると大体、体は寝てくれる。
ここで文章を止めても良いのだけれど
会計にはもう一段階着想があると思う。
それは資産(プレイヤーに便益をもたらす何か)
負債(短期、長期的にプレイヤーに支払いを求めるもの)
皆、費用と収益には敏感だけれども
それが何から発生しているものなのかは意外と意識が向かなかったりする。
感謝の言葉から始めることや朝ごはんの用意ができること、仮眠を取ろうと思えることは
・読書による先人の知恵
・クライアント対応から学ぶ失礼のない気遣い
・過去のクレームやトラブル対応の経験
・日頃の行い
という資産からくるものであったりする。
反対に短い睡眠は
・夜中にスマホをみる習慣
・気になる事項を処理しきれずに入眠
・ストレスを飲酒で解消→眠りが浅い
という負債的な行動の結果かもしれない。
そう考えると、いかに資産を増やし、負債を減らししていくかが重要かという普遍的な事実に気づく。
もちろん、中期的に負債を一杯増やしてレバレッジを聞かせて
資産形成するという考え方もあるだろう。長くは続かないと思うが理解はできる。
ここまでの発想や着想をもたらしてくれている会計であるが
不遇なことにあまり役に立たない学問と思われがちである。
大学のときの教授曰く、すぐ役に立つものは、すぐに役に立たなくなる、とおっしゃったが
その逆もまた真なりと教えてくれている。
(エッセイはですます調ではなく書いています。ご了承ください。)
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